11月のかんがえごと~裁判のIT化と周辺課題〜

こんにちは。司法書士法人UNIBESTの岩白です。

だいぶ秋も深まってきて、気づけば激動の2020年もあと2か月。年末の足音も近づいてきました。先日、昨年録画したテレビ番組を見ていて「働き方改革」という言葉を目にし、ふと不思議な気持ちになりました。現在ではこの言葉がなくなったとは言いませんが、コロナ禍を経てテレワークや時差出勤など柔軟な働き方が世の中に浸透し、「働き方改革」という言葉のもつインパクトが小さくなったように感じます。この点ひとつとっても、コロナ禍は大きな時代の転換となったことが実感されます。

さて、私は日本司法書士会連合会(日司連)の民事裁判IT化対応ワーキングチームに参画していますが、その関係で去る10月9日、法制審議会(法制審)の民事訴訟法部会に出席、傍聴しました。同部会では現在、裁判のIT化をめざした法改正が議論されています。法曹界はもちろん、大学教授や経済団体、消費者団体といったバックヤードをもつ委員が集まり、未来の裁判制度について議論する場は非常に刺激的でした。

世界各国が司法・行政手続のIT化を進める中、我が国の進捗は非常に遅れています。特に裁判所は現在、通信も電話・FAX・郵便がメインで、未だメールさえ使用していません。今回のコロナ禍でも、相当数の事件が処理待ちのまま滞り、国民の迅速に裁判を受ける権利が侵害されました。もしIT化が早くに実現し、例えば非対面での口頭弁論が可能になっていれば、権利侵害は比較にならないほど小さく済んでいたはずです。

一方で、司法書士の裁判業務への関与は依然少なく、これを機に裁判業務に対する現場の気運を高めていきたいという別の戦いもあります。弁護士と同じように裁判ができる認定司法書士は相当数になっているのに、その力が国民のためにしっかり活かされているとは未だ言えません。
私は、司法書士の扱う裁判がビジネスとしてあまり魅力的でないというのもその理由の一つと考えています。会務よりビジネス寄りの私をワーキングチームに推していただいたのは、そういった面から意見を出してくれという諸先輩方の声と捉えています。
当法人の訴訟業務部では、改善を根気強く繰り返し、裁判業務をしっかりとしたビジネスに育てることに成功しました。この経験を業界全体のために活かせないか、日々考えていきたいと思います。