5月のかんがえごと~環境、社会、内部統治~

こんにちは。司法書士法人UNIBESTの岩白です。

現在、投資の世界では「ESG投資」がキーワードになっています。
環境(Environment)、社会(Society)、企業統治(Governance)への取り組みが評価できる企業に対して積極的に投資をしていくという考え方です。
なるほど、時代を反映しているなと思う反面、これはSDGs(Sustainable=持続可能性)にも通じる考え方のようにも見えます。
だとすれば、ESGとは当たり前のことを言っているように聞こえます。
環境、社会、内部統治に無頓着な企業は、長期視点で持続的に成長できるはずがありませんので。

では、なぜいまESG投資が注目されるのか?
ひとえに近年企業が非常に短期的な結果を求められるようになっていたからではないでしょうか。
ビジネスに求められるスピード感は年々上がり、このままでは今後もその傾向は強まる一方と思われます。
厳しい環境下で、無理が重なり、ひずみができ、持続可能性のない企業が量産されたと見ることができます。
その反動として、そのような傾向に待ったをかけ、本当に価値あるもののみ残していくことで社会をよい方向へ導く動きがESG投資なのかもしれません。
まさしく、資本主義の次、価値主義時代の資本戦略です。
とはいえ、スピードが求められなくなるかと言えば、それは少し違うのではないでしょうか。
要はメリハリで、スピードを追求すべきところとそうでないところのバランスをしっかりとっていくということだと思います。
総じて、これからの時代は、当たり前のことを当たり前にやることが重視される時代、と言い換えることができるのではないでしょうか。

さて、私含め、中小企業の経営者は自身も自社に投資している投資家であることがほとんどですが、自社の経営がESG投資の方向性に沿っているか、という視点で今後の経営を考えていかなければなりません。
これだけ世の中が大変なスピードで変化しますと、意識せずとも、目の前のことに精いっぱいになりがちです。
だからこそ、より一層、企業としての芯となる理念やビジョンといったものの重要性が増し、それをいかにして現場の業務へ落とし込めるか、ということが経営のキモになるのではないかと考えています。