6月のかんがえごと~有効な働きかけはしばしば直感に反する~

こんにちは。司法書士法人UNIBESTの岩白です。

5月末の土曜日、裏の小学校から運動会の音が聞こえてきました。
私のマンションから校庭が見下ろせるのですが、コロナで例年のように練習できなかったはずの子供たちが、一生懸命に演技したり走ったりしているのを見ているとほっこりした気持ちになります。
まさに「薫風の候」と言える五月晴れの青空が清々しく見守ってくれたことは、子供たちへのご褒美かもしれません。
先生方も思うように準備ができなかったことと思います。
お疲れ様でしたとお伝えしたい。

さて、今月はシステム思考の本を読みました。
面白かったのが、世界各国で成功している渋滞対策。
一見、道路の容量を増やすために道幅を広げたり、バイパスを作ったりするのが有効と思われますが、それではまったく改善しないどころか、ますます渋滞がひどくなったとのこと。
そこで、バスしか通れないレーンを作ったり、朝から夕方まで混雑税を導入したり、といった道路の容量を減らすという施策をとったところ大成功しているそうです。
自動車の相対的魅力を下げることで、多くの市民がバスなどの公共交通機関を利用するようになったり、自転車やバイクへ移行したためだそうです。
「有効な働きかけはしばしば直感に反する」と締めくくってあったのが印象的でした(枝廣淳子著「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?」)。

この話を読んで思い出すのが、小池都知事の満員電車をなくすために電車の本数を減らすという施策です。
電車の本数を減らす→待ち時間が増えるうえに混雑する→電車の魅力が下がる→電車を使わなくなる、という流れを狙っているのは明白です。
東京は自転車でどこへでもいける小さな街ですし、テレワークのますますの普及にも繋がるでしょう。
しかし、大バッシングを受けてこの施策はすぐに終了。
あのまま継続していたらどうなっていたか?
成功していたとは限りませんが、私たち国民ももう少し落ち着いて、広く、長い視点で政治家の施策や行動を考えないと、本当に有効な施策を潰す、悪くすれば本当に有能な政治家を潰すことにもなりかねないなと思った出来事でした。
小池さんがそうだということではないですが(笑)