定款見直しについて
ほとんどの会社では、定款は会社設立のときに作成して以来、ほとんど見たことがないというのが実情でしょう。定款は本来、会社の根本規則として、最重要規定との位置づけになります。日本の法律でいえば「憲法」に相当するといえます。
定款クリーニング(現在の視点からの定款見直し)
長年会社経営をしていると、定款の内容が実態と合わなくなる状況も多々生じます。
その状況を放置すると、思わぬトラブルに発展したり、思わぬ費用がかかったりしかねません。
そのリスクをヘッジするいくつか例をご紹介します。
・事業目的は、会社の実際の事業と適合していますか?
→ 既に行っているその事業に関する取引すべてが法的に無効になってしまうリスク
があります。
・株主が亡くなったときの規定はどうなっていますか?
→ 相続される状態になっていれば、それはトラブルの元になりかねません。
・株券を出していないのに、株券発行会社になっていませんか?
→ もし古い株券をもっている人が現れた場合、対応が非常に困難になります。
その他様々なリスクが考えられますので、クリーニング感覚で一度見直し、リスクの芽を摘んでおかれることをお勧めします。
戦略的定款変更(将来の視点からの定款見直し)
先述のように、定款とは会社の根本規則であり、「憲法」の役目を果たします。そのため、うまく使うことによって会社の競争力向上や、リスクヘッジの効果も期待できます。
こちらもお勧めの例をいくつかご紹介します。
・定款に理念や方針、指針を記載することで、理念経営の実現を!
→ 人材難やAIの進歩といった社会変革により、企業における人の役割に変化が生じると同時に、ますます人が重要になってくる時代です。では、人はどんな会社に集まるのか?こういった議論が活発になされる中、「組織としてどんな価値を社会へ提供するのか」から経営を考える「理念経営」が非常に注目を集めています。社長の胸に抱いた理念をぜひ言葉にしてみませんか?そしてそれを、会社の憲法の第一条に規定しませんか?きっとそれは、社長やスタッフの皆さんの働きがいの礎となり、人を引きつける魅力をもった会社の財産となるでしょう。
・定款を変更するスキームで、「株主が誰で何株もっているかわからない問題」を解消!
→ 中小企業では、株主と連絡がとれなくなってしまったり、そもそも株主がどこの誰で何株もっているかすらわからない、という状況に多々出くわします。株主には、1株でも持っていれば行使できる「少数株主権」というものがあります。簡単な例を挙げると、ある日突然、まったく予想しなかったところから裁判を起こされる、という状況も生じうるのです。定款変更というテクニックで、こういったリスクを排除するご提案も可能です。