信託管理人って?
「信託管理人」と「信託監督人」、
今回は名前が似ているこの二つの登場人物についてです。
まずは信託管理人ですが、信託管理人とは
受益者が現存しない場合に、
受益者のために受益者の権利を行使することができる者をいいます。
受益者が現存しない場合って?
例えば、受益者がまだ生まれていない場合です。
以前お話ししたように、家族信託では必ずしも受益者が
現存している必要はありません。
将来生まれてくる子どもを受益者にすることもできます。
このような場合に登場するのが信託管理人です。
受益者代理人と同様、未成年者と当該信託の受託者は
信託管理人になることはできません。
信託管理人の選任
受益者代理人は具体的にどんなことをするんですか?
「信託財産から生活費の給付を請求する」
「信託財産である賃貸物件の賃料給付を請求する」
といったことを、受託者に対して行います。
つまり受益者代理人は、
本来であれば受益者本人が行う行為を受益者に代わって行うんです。
法律的には受益者代理人とは
「受益者に関する一切の裁判上または裁判外の権限を有する」者となります。
また受益者代理人がいる場合、
受益者は「受託者を監督する権利」と「信託行為に定めた権利」を除き、
受益者自身はその権利を行使することができなくなります。
受益者代理人の権限って、強いんですね…
そうですね。
「受益者代理人は受益者の後見人のような立場」
といえるかもしれません。
受益者代理人の資格
未成年者と当該信託の受託者は受益者代理人になることはできません。
それ以外の者は、個人でも法人でも、受益者代理人になることができます。
なるほど、それなら長女の頼子を受託者にして、
長男の託朗を受益者代理人にするというのでもいいのね。
法律的には問題ありません。
ただし先ほどもお話ししたように、
受益者代理人は受益者の後見人的な役割を持っています。
そこで、受託者と意見があわず対立関係になるということも
場合によっては考えられます。
このようなことから、受益者と受益者代理人を
それぞれ委託者の子とする場合には、もちろんきょうだい仲にもよりますが
十分な検討が必要ですね。
※本記事は掲載当時の法令等に基づき作成しております。また、一部内容を簡略化しております。
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