
初めての司法書士試験お疲れ様。どうだった?


全然解けなかったです……
あまりに勉強不足でした……
そっかそっか。
まぁ司法書士試験には受験回数の制限もないし、気長にやっていけばいいよ。
昔ウチの事務所にいた人で、10回以上受験して合格した人もいたから。


10回以上!!
物凄い根気ですね、私も頑張らなきゃ……!
うん、頑張ってね。
さて今日は、この前申請した相続登記が完了したみたいだから
一緒に確認してみようか。
これが法務局で取ってきた「登記簿謄本」だよ。


甲区の2番に今回申請した登記が入っているのが分かるかな。
こうやって登記簿謄本を取って、申請した通りに登記が入っているかを確認するようにしてね。
まぁ謄本っていっても、これは厳密には謄本じゃないんだけど。


この前もそう言っていましたね。
謄本なのに謄本じゃないってどういうことですか?
これは正式には「登記事項証明書」といって、電子データの登記簿に記録されている情報を証明した「証明書」なんだ。
この前「謄本は原本のコピー」という話をしたけれど、そもそも今は電子データで管理されているから、コピーする原本(紙)自体が存在しない。
だから「謄本」ではなく「証明書」という名前なんだね。

でもかつて紙に記録されていた時代は、紙の登記簿をコピーした「登記簿謄本」を使っていたから、その時の名残で今でも「謄本」と呼んでいるんだ。


なるほど……
じゃあ先輩がいつも決済当日の朝に取っている謄本、
あれも実は証明書だってことですね?

あ~いや、これはまた別物なんだ。
確かにいつも決済前には対象物件の謄本(うちでは「直前謄本」と呼んでいるもの)を取っているけれど、これは登記情報といってね、

証明書と違って登記官による認証文がないただの情報(データ)なんだけど、その分安く取れるし法務局に行かずともネットで見ることができる。
直前謄本は決済直前に予定外の登記が入っていないか
最終確認するためのものだから、登記情報で十分なんだよね。


なるほど、何事も事前の準備が大事ということですね……
~退勤後、カフェにて…

「猿田彦珈琲 立川髙島屋S.C.店」さんの猿田彦フレンチ(ICED)

試験もやっぱり事前の勉強が大事!
1年後の次の試験に向けて、気合を入れ直して頑張ろう!
[受験生メモ]
・抵当権の他管轄追加設定の際に減税を受けるために添付するものは「登記証明書」
(任意・1件につき1,500円・登録免許税法第13条第2項)
・共同根抵当権の他管轄追加設定の際に添付するものは「前登記証明書」
(必須・1件につき1,500円・登録免許税法第13条第2項)
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